蛇口からグッバイハロー

ここの部分、色々変えたりしてみよう。はっくしゅん
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輪廻
ウォッシュレットから赤ちゃんが飛び出てきた。

これだけでも驚きであったが、この赤ん坊が開口一番に発した「お前の股ニティにコミュニティ」というギャグが私の肛門を完全に凍りつかせたのは言うまでもなかった。
「お前の娘になる」
赤ん坊が私の股間に向かってそう言った途端、まだYESとも答えてないし、寧ろウォッシュレットから生まれてくるような気味の悪い赤ん坊なんか娘にしたくないと思ったのに、私の子宮がカチッという音とともに勝手に閉経したのが分かった。私はまだ37である。
「な、何するのよ!」
私は必死で膣に腕を押し込んでスイッチをオンにしようと試みたが、やはり無駄だった。そんなスイッチどこにもない。
「娘にしてくれ」
赤ん坊はまるで揺りかごに身を預けるかのように、便座にハマっていた。
「む、無理よ!だって・・・だって私は・・・」
「いっぱいいっぱいだから、か?」
赤ん坊らしからぬ口調で言ってきた。
「・・・アバウトな表現だけど、そうよ。そんな感じよ!」
「たった今ウンコを出したばかりなのにか?」

そう言われた瞬間、身体が一気に紅潮した。
そうだ、私はウンコをしていて、そしてウォッシュレットでお尻を洗浄しようと思ってボタンを押したら、肛門に物凄い衝撃を・・・

慌てて便座の赤ん坊に目を遣った。
肘が茶色くなっている。したり顔だった。
このガキ、エルボー喰らわせやがったな。
恥ずかしさと怒りで私のボルテージは急上昇を起こした。
この調子で生理が復活してくれないかなと、少し思った。
その時、スッと、トイレットペーパーが差し出された。
何の真似だとばかりに赤ん坊を睨みつけると、

「お股から、垂れてるよ」

太股に何かが流れるのを感じた。まさか

「せっ生理!?生理ね!!おかえり生理!ああ!生理!!」
私はまるで起き上がるダルマのようなモーションで自身の股を仰ぎ見た。
嗚呼、愛しの生理よ!
しかし、そこに垂れていたのは、赤ではなく茶色い液体であった。
なるほど、先程凍らされた肛門が、身体の紅潮によって溶かされたのである。

「早く拭きなよ、ママ」

ア、アンタなんかにママなんて言われる覚えは無い!!
私はこの憎きクソガキ(ガキと言うにも幼すぎる)からトイレットペーパーをブン取り、いざ拭こうとしたら、そこに何か文字が書いてあるのを見つけた。
そこには震えるような字でこう書いてあった。

『どうしても、私はこの子を育てることが出来なくなりました。
 誰か、私の可愛い赤ちゃんを、宜しくお願い致します。
 非人道であることは分かってます。
 許して。私の可愛い赤ちゃん。
 ごめんなさい。この手紙を読んでいるアナタ。

  水道管に想いを込めて・・・  母より』

水道管に流すなよ!・・・などという無粋なツッコミを、私は出来なかった。
何故なら私は、この最低な母親の気持ちが、分かってしまうからだ。
私も、同じような事をしてしまった過去があった。
あれは10年前、私は幸せの絶頂だった。
結婚し、妊娠した。
ある雨の日のエコー検査、私は医師に残酷な宣告を受けた。
どうやらお腹の子は、身体に障害があるらしかった。
絶望に打ちひしがれ、その日の夜、私は夫と大喧嘩をした。
私は育てると言い張り、夫は堕ろせと叫んだ。
短絡的だと思った。私は泣きながら外に飛び出した。
マンションの8階。階段を駆け降りた。
雨で階段は濡れていた。私は・・・盛大に転んだ。
病院、治療を一通り受け病室で安静にしていたら、医師と看護師が深刻な面持ちで入ってきた。
「流産です」 ただそれだけ言われた。
夫は泣いていた。私に何度も土下座して謝っていた。
私は、様々な人間の泣き声が聞こえる中で一人、・・・ほっとしていた。

結局私たちは離婚した。
最後まで夫は謝っていたが、私は妙に無感情だった。
私が自己嫌悪で自殺寸前までもがき苦しむようになったのは、2週間経ってからだった。


気付けば私はトイレットペーパーを強く握りしめて泣いていた。
茶色い液体は、もう足元で水溜りになっていた。
涙が止まらない。
あの時の自己嫌悪が蘇っていた。

「お前の股ニティにコミュニティ!」

ふいに聞こえる声。
途端に頬が冷たくなった。
涙が、凍っていた。

「アナタ・・・」

「何があったか知らないけど、泣くなよ」

私は暫し呆然とした後、何だか急におかしな気分になって、笑った。
赤ちゃんに「泣くな」なんて言われる自分が、ひどく馬鹿馬鹿しかった。
本当にこの子は何なのだろう。
いきなりウォッシュレットから飛び出してきて、
肛門にエルボー喰らわして、
しかも凍らせて、
勝手に生理まで止めて、
私のこと「ママ」なんて呼んで・・・

「あ、お前のウンコ汁も凍らせた方がいいか?よし任せろ、お前の股ニティにコミュ・・・」

私は赤ちゃんの口を人差し指で制した。

「必要ないわ。こんな状態で凍らされたらワタシ動けなくなっちゃうし、」

「でも臭くないか?」

「それに、これからは毎日あなたのウンコを触ることになるんだから」

「え?」

決意は固まっていた。

「あなたを、私の娘にするわ!」

「・・・え・・?・・やった・・お・・・お・・・おぎゃああああ!おぎゃああああああ!!」

初めて赤ちゃんらしいところを見せてくれた。
私は、肛門を拭きながら思った。
10年前の出来事を。
この子に差し出されたトイレットペーパーを何度も繰り返し使いながら。
1回拭くごとに思い出す夫とのアナルセックス。
珍しく普通のセックスをしてくれた、あの一回が妊娠に繋がったんだ。
嬉しかったなぁ。
今の私は、その時の気分だ。
10年前はその後最悪な事態になったけど。
もう、繰り返さない。
誓った。

拭き終わり、ボロボロになったトイレットペーパーを便器に捨てようとした時、さっきの文章の後にまだ何か文が続いてる事に気付いた。

『P.S.
   マタニティになんたらってギャグが寒かったので捨てましたゴメン!』


ぅおい!!

・・・私は豪快にツッコんだ。










これは後日談になる。

赤ちゃんを育てることになった私は、この子にウォッシュレットから生まれた「水子(ウォッシュこ)」と名付け、愛情いっぱいに育てた。
幼稚園、小学校とすくすく成長した。
しかし小学校高学年になると、名前のせいでイジめられるようになった。
そしてイジめがピークに達した中学生の時、ウォッシュ子は自殺した。
この子が死んだ瞬間、私の股の奥から「カチッ」という音が聞こえた。
OFFになっていた期間分、また生理が始まる事を、私は直感で分かった。

「股ニティにコミュニティ」・・・死んだ子の魂は子宮に宿る・・・








後日談、自分で書いといて怖っ!!




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